紗羅 SHARA | INABUSHI 秋
夏に続き秋も伊那節を歌わせて頂きました。
美しい伊那谷で美しい沙羅の皆さんの舞。
そしてKITTAさんが染め上げた見事な茜染は、
澄んだ山の空気の中に、母の優しさ、そして女性の強さを感じます。
美しい秋の伊那谷に想いを馳せて。
歌 LUCA
茜染 KITTA
衣装 CHIAKI MAKI,YUMIKO TANAKA
舞 沙羅 SHARA
以下 沙羅さんより
「天竜下れば しぶきにぬれる
持たせやりたや 持たせやりたや 檜笠(ひのきがさ)
はあ燃る想いは あの紅つつじ
たれが折るやら たれが折るやら 散らすやら
東、仙丈 (せんじょう)西、駒ヶ岳(こまがたけ)
間(あい)を流るる 間を流るる 天竜川
心ぼそいよ 木曽路の旅は
笠に木の葉が 笠に木の葉が 舞いかかる」
秋に染まる伊那谷。
「茜染」は母親のお腹の中で赤子が最初に見る色と言われています。
「KITTA」さんが大自然の中で薪の火の力で丹念に染め上げた茜染は、包まれると真から温まり、もう忘れてしまっていた、胞衣にまだ包まれていた頃の記憶がふわりと還ってくるよう。
燃えるような「あか」は生命の輝きの色。
信州の奥山にゆらめく紅葉の錦の中を。
茜を纏いゆけば。
茜の精霊が間を取り持ってくれるかのように、山々に息づく数多の生命達と呼応できるような想いがするのです。
そうして息を鎮め静かに待っていれば
やがて古層に眠る何かが立ち上がってくるのでしょう。
信州-伊那谷地方に伝わる民謡「伊那節」は
蒼青と澄む空と連なる山々に抱かれる伊那谷の豊かな風土と、その恵みを受けて暮らす人々の姿や、移ろう四季と共に巡ってゆく想いが見事に唄い上げられています。